弁護士コラム

曽根干潟(自然環境の保全)

みなさんは「曽根干潟」をご存知ですか?

曽根干潟とは、北九州市小倉南区の曽根新田の海側に広がる干潟です。
約517ヘクタールの広さがあり、そこに竹馬川、大野川、貫川、朽網川が流れ込み、1年間に約7000万立方メートルの淡水と、約3300トンの土砂が運ばれています。
川の水と海の水が混ざり合う干潟には、豊かな生態系が発達しており、そこに生息する生物の種類、個体数は極めて多く、生物多様性の宝庫となっています。また、干潟の海の漁業生産量は高く、そこで獲れる魚介類は、私たちの食卓を潤してくれます。さらに、干潟には浄化機能があり、下水処理場に例えると、干潟1ヘクタールあたりの下水処理人口は、約7000人に相当すると言われています。

このような干潟の機能から、近年では、干潟の重要性とその保全及び再生の必要性が叫ばれています。

曽根干潟にも、多くの底生生物や魚介類が生息するとともに、大陸からの渡り鳥の全国有数の越冬地となっています。そして、その中には、環境省のレッドデータブックに記載されているカブトガニやハクセンシオマネキ、渡り鳥であるズグロカモメ、WWFサイエンスリポートで絶滅寸前とされたシマヘナタリといった希少種が含まれています。

福岡県弁護士会では、このような曽根干潟の豊かな環境を守るため、北九州市に対して積極的な保全の提言をしたり、 定期的な視察をしたりしています。
曽根干潟については、北九州市のホームページに詳しく記載されておりますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。そして、お休みの折には、ぜひ一度曽根干潟を実際に訪れて、その自然の豊かさを体感していただければと思います。