弁護士コラム

当会における環境マネジメントシステムのご紹介

1.環境マネジメントシステムについて

皆さんは,環境マネジメントシステムをご存知でしょうか。

組織や事業者が,その運営や経営の中で,環境に関する方針や目標を自ら設定し,これらの達成に向けて取り組んでいくことを「環境マネジメント」といいます。そして,この環境マネジメントを実施するための事業所内の体制・手続き等の仕組みを「環境マネジメントシステム」といいます。環境マネジメントは,事業活動を環境にやさしいものに変えていてくために効果的な手法であり,幅広い組織や事業者が積極的に取り組んでいくことが期待されています。

代表的な環境マネジメントシステムとして,国際規格のISO14001や,環境省策定のエコアクション21,エコステージKESなどがあります。

2.福岡県弁護士会北九州部会における取組みのご紹介

福岡県弁護士会北九州部会(以下「当会」といいます。)は,北九州において開催された平成25年九弁連大会決議(再生可能エネルギーの積極的な推進を求める宣言)を受けて,部会をあげて環境負荷を低減することを目標としました。そこで,平成27年8月5日に,環境省策定の環境マネジメントシステムであるエコアクション21に登録し,組織的・計画的に環境への負荷(電力使用に伴う二酸化炭素排出量,廃棄物,水使用量など)を削減する取組みに着手しました。

当会では,毎年,環境目標の設定,環境活動計画の立案,環境問題に関する提言・啓発活動の検討・実施,環境への負荷の数値実績の観察・評価,中間審査・更新審査に向けた各種書類作成などを行い,組織的・計画的に環境への負荷の削減に取り組んでいます。具体的には,①平成28年1月1日から開始した再生可能エネルギーの利用比率が高い新電力会社からの電力購入,②弁護士会館の照明設備の全面的なLED化,③エアコン設定温度の調整や不要なエアコン使用のカット,④両面・集約コピーや裏紙活用,⑤会員配布資料や会議参照資料等の電子化によるペーパーレスの促進,⑥使い捨て製品の使用の抑制等より一層の紙資源の無駄遣いの防止に努めてきたことなどです。

エコアクション21に基づく取組みにより,当会においては劇的な環境への負荷の削減を実現しております。当会における取組みや実績の詳細は,毎年作成している環境活動レポートをご参照ください。

3.環境マネジメントシステムを導入しよう!

平成27年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された持続可能な開発目標(SDGs)においても,エネルギー,気候変動,海洋資源,陸上資源といった環境に関わる国際目標が掲げられております。このことからもわかるとおり,現代社会が持続可能な発展をしていくためには,地球環境問題に対応し,経済社会活動のあらゆる局面で環境への負荷を減らしていかなければなりません。

環境マネジメントシステムは,組織等の活動全体にわたって自主的かつ積極的に環境保全の取組を進めていくための有効なツールです。すなわち,組織として自主的に目標設定を行い(Plan),その目標に沿った行動をとり(Do),その結果について分析し(Check),改善を行っていく(Action)といったように,自ら組織の活動を環境的側面からマネジメントするとともに,定期的に第三者の視点で審査をし,改善のためのアドバイスを受けることが可能となります。

また,環境マネジメントシステムの導入により,一般消費者などの対外的な信用が高まること,環境保全に対する様々な規制や要請に効果的に対応できる体制が整うこと,省資源や省エネルギーを通じて大幅に経費節減につながることといった直接的なメリットも期待できます。

皆さんも,この機会に,環境マネジメントシステムを導入してみてはいかがでしょうか。