弁護士コラム

環境にやさしい再生可能エネルギーの選択

  1. 最近、ニュース等で「持続可能な社会」という言葉を聞く機会が増えてきました。
    「持続可能な社会」というのは、平たく言えば、将来に渡って、健全な環境を維持しつつ、発展し続ける社会のことです。そして、持続可能な社会の実現という理念は、日本を含め、環境保全に関する国際的な共通理念になっています。
  2. (1)福岡県弁護士会北九州部会(以下、当部会といいます)も、持続可能な社会の実現という観点から、環境負荷を低減し、環境保全のために環境負荷の低減に取り組むことなどの内容を定めた環境方針を制定し、環境マネージメントシステムの導入など、種々の取組を行っています。
    参考リンク:福岡県弁護士会北九州部会の環境に対する取り組み
    (2)そして、当部会が、環境負荷の低減・環境保全のために行った取り組みの一つが、再生可能エネルギーの利用比率の高い電力小売業者からの電力購入です。
    平成12年以降の電気事業法の改正による電力の小売事業の自由化に伴い、現在、さまざまな電力業者から電力の供給を受けることが可能となっています。
    この電力の自由化に伴い、当部会においても、環境負荷低減の観点から、平成26年、電力業者のうちから、環境負荷の低い事業者を選定し、福岡県弁護士会北九州部会の会館で使用する電力全てを同事業者から購入するようになりました。環境にやさしい水力や風力を利用した発電に積極的に取り組む事業者から電力を購入するようにしたのです。
    その結果、従来に比べて、当部会会館における電力エネルギーにおける再生可能エネルギーの利用割合(再生可能エネルギー利用率)の向上及び、CO2排出係量の低減が実現しています。なお、この取り組みの結果、電気料金も従来比より大幅減となっています。
    (3)当部会が行った環境負荷の低いエネルギーを供給する電力小売事業者からの電力購入という取り組みは、全国の弁護士会のなかでは、環境負荷軽減に向けた先駆的取り組みの一つです。こうした取り組みは、九州内の他の地域にも波及しつつあります。
  3. 電気事業法の改正により、平成28年4月1日以降は、家庭や商店も含め、電気を使う人すべてが、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。
    その結果、現在では、再生可能エネルギーの利用比率の高い電力小売事業者から電力を購入するという取り組みは、誰でもが行える環境負荷軽減に向けた取り組みの一つとなっています。
    こうした取り組みによって、当部会のように、従来に比して、電気料金が下がるという経済的なメリットも享受できるかもしれません。
    再生可能エネルギーの利用比率の高い電力小売事業者から電力を購入するという取り組みは、環境負荷軽減に取り組みつつ、経済的なコストを削減させる有力な選択肢と考え、当部会でも採用することにしました。